景気循環学会高圧経済研究部会
高圧経済研究部会とは
高圧経済研究部会設立の目的(2022.4設立)
日本経済の停滞が続いていますが、ここからの脱却の方策として、高圧経済という戦略が考えられています。基本的には、財政金融両面から人手不足経済を作り、失業率を下限まで低下させようというものですが、さらに、それをテコに規制緩和や構造改革を進め、より高い成長を目指そうという考えです。規制緩和や構造改革は、それが効果のあるものなら、多くは雇用を削減することになります。もちろん、規制緩和や構造改革には、新たな需要を生み出すものもありますが、これが生産性の上昇、1人当たり所得の上昇をもたらすなら、やはり、より少ない人間でより多くの生産をすることになります。構造改革が進まないのは、雇用問題があるからです。
ところが、人手不足経済とは、雇用問題を解消するものです。人出不足であれば、雇用削減を通じた生産性上昇策に対する反対も最小になり、景気拡大を通じた雇用の拡大以上の生産性上昇を目指すことが可能になります。
もちろん、高圧経済論には、過度の景気刺激がインフレをもたらす危険がある、過度の財政金融面からの刺激が財政赤字や金融不安定性をもたらす、そのような政策は構造改革の助けにならない等の批判もあります。また、高圧経済の実現は景気循環論と矛盾する可能性もありますが、景気を上下に駆動する要因は高圧経済の下でも存在しているはずです。その点も含めて研究することでより一段と景気循環をもたらす要因を理解できると思います。
本部会は、高圧経済を研究し、その効果、限界、問題点を理論的、実証的に研究しようというものです。
部会長挨拶
原田泰
高圧経済政策とは、景気循環経路の情報を目指すだけでなく、成長経路そのものを上方にシフトすることです。

単に財政金融政策による経済拡張ではなく、構造改革が必要なのだという方もおられますが、構造改革と言っても中身は曖昧です。また、構造改革には、人を減らして効率化する部分があります。高圧経済による人手不足経済の下でこそ、人々は新しい仕事を得ることができ、雇用は流動化するものです。異次元の金融緩和以来の、長期にわたる高圧経済政策こそが人手不足と生産性の上昇をもたらすのです。

ここで最近使われる「失われた30年」という言葉が気になります。この言葉は、ここ10年余りの高圧経済政策が日本経済にもたらした成果ー雇用の拡大、企業利益と雇用者報酬の増加、名目GDPと実質GDPの成長加速、財政再建などを無視するものです。

私としては、部会の皆様とともに高圧経済の成果を広く訴えていきたいと思っております。

景気循環学会高圧経済研究部会 部会長
原田泰

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