第4回税収弾性値予測
コンテスト2026
税収弾性値、名目GDPの伸びに対して税収がどれだけ伸びるかという比率は、極めて重要な値である。なぜなら、税収見積もり、財政収支の予想、財政再建政策、マクロ経済安定化政策を考える上で、必須の値だからである。ところが、税収弾性値については、まだ十分なコンセンサスが得られているとはいえない状況にある。
過去30年間のデータから素直に計算すれば、税収弾性値は3.5程度となる。ところが、政府は、「比較的安定的な経済成長を実現していたバブル期以前の平均的な弾性値」として税収弾性値は1.1であると主張している(「参議院議員中西健治君提出税収弾性値に関する質問に対する答弁書」2015年2月3日)。もちろん、弾性値が永久に3.5であることはありえない。なぜなら、税収弾性値が3.5という状況が続けば、税収の名目GDPに対する比率はいくらでも高まってしまうからだ。これは増税をしているのと変わらない。
先進諸国の税収弾性値は、1~1.2程度で落ち着いており、弾性値が3.5と極端に大きいのは日本しかない。これは、バブル崩壊やそれに伴う金融危機など大きなショックに見舞われる中、日本がマクロ経済の安定化に失敗し、1990年代以降、名目GDPが大きく変動したからである。高い弾性値は、マクロ経済安定化政策の失敗を意味している。日本が今後、マクロ経済の安定化に成功すれば、税収弾性値は徐々に低下していくだろう。
また、日本以外の先進国では、物価調整減税によって、国会での議決に寄らず実質的に増税を行うことを避けている。物価上昇により実質所得が増加していないのに累進課税の上の階層に行くこと(ブラケット・クリープ)が生じないようにしている。2025年度の税収弾性値は2.8だったが、2024年度の税収弾性値は1.15であった。これは、2024年度に3.8兆円の減税が行われたからだ(「2024年度税制改正大綱」2023年12月22日)。
2027年度には食料品の消費税減税が行われる。理論的に言えば、まず物価調整減税が行われるべきだが、政治的決定の結果であれ、減税が行われることは望ましい。1より大きい税収弾性値が続くことは増税と同じだからである。
27年度の税収弾性値予測は、消費税減税もあって、予測が難しいと思われる。コンテストの審査対象となるのは26年度のみで27年度は対象外であるが、多くの方に挑戦していただきたい。
財政状況とマクロ経済とのイデオロギー的な対立を離れて、財政状況を理解する上で重要な税収弾性値の予測を以下の応募方法にしたがって広く募集する。これを、課税政策、財政再建策、財政政策、マクロ安定政策について冷静に議論するための一つの出発点にしたい。これは、さらに広く政策議論の質の向上にも資するものと考える。
景気循環学会部会 高圧経済研究部会
鹿野達史(景気循環学会常務理事 白鷗大学 経営学部 教授)
中里透(上智大学 経済学部経済学科准教授)
原田泰(景気循環学会部会高圧経済研究部会部会長 名古屋商科大学ビジネススクール教授)
1.応募資格
どなたでもご応募いただけます。
2.募集内容
3.募集期間
2026年10月19日(月)12:00~2027年2月28日(日)23:59
4.応募方法
本ページ一番下【コンテストに応募する】より入力
5.審査方法
- ①~③及び①’~③’の全てを記載いただいている中から、2026年度の①~③の数値予測を審査します
- 財務省ホームページにて令和8年(2026年)度の一般会計決算概要(剰余金)の発表後(例年翌年度7月末発表)、審査開始します
- ①~③の数値が最も近い方から順に1~3位まで審査します
6.審査員
- 鹿野達史(景気循環学会常務理事 白鷗大学 経営学部 教授)
- 中里透(上智大学 経済学部経済学科准教授)
- 原田泰(景気循環学会部会高圧経済研究部会部会長 名古屋商科大学ビジネススクール教授)
7.賞
- 1位…表彰楯 + 副賞10万円
- 2位…表彰楯 + 副賞5万円
- 3位…表彰楯 + 副賞1万円
8.結果発表
2027年秋ごろ高圧経済研究部会にて発表、表彰式の予定
※財務省ホームページにて令和8年度一般会計決算概要(剰余金)の発表後、選考開始いたします(例年7月末発表)
※受賞された方には、所属、肩書、お名前の公表をお願いいたします
※受賞された方は研究部会内の表彰式にご参加をいただき、予測の理由など一言お願いいたします(現地もしくはWeb)
9.ご注意
- 応募は本人のみとさせていただきます
- 1人1回答のみの審査となります ※2回以上回答した場合は、失格となります
- 受賞者などに関する問い合わせはお答えできかねますのでご了承ください
10.お問い合わせ先
コンテストへの応募は2026年10月19日(月)から