第2回税収弾性値予測
コンテスト2024
【結果発表】

2024年の税収弾性値予測コンテストの結果をご報告します。本年も多数の方のご応募をいただき大変ありがとうございました。

応募していただいた方々の中から税収弾性値と税収と名目GDPの関係が矛盾の無い方を選び、その中から税収、名目GDPの実績との乖離率が一番小さい方を選ぶという2段階の方式で選考いたしました。

図1は、応募された方々ののうち税収弾性値=税収伸び率÷名目GDP伸び率という関係を満たした方々を選び、その方々の名目GDPと税収の予測値と実績値を示しています。

【図1】名目GDPと税収

実績値に近い方が優秀者となりますが、そのままの数字ではなくて、実績値との乖離率の少ない方を優秀者としました。それを示すのが図2です。横軸と縦軸の目盛りが等しい距離になるようにしています。グラフの中の縦横の目盛りが正方形になっているので、実績との距離と順位が直感的に理解されると思います。

【図2】名目GDPと税収の実績との乖離率の絶対値

税収弾性値予測コンテスですから税収弾性値にもっとウエイトをつけて評価すべきというご意見もあるでしょう。それを考えるのが図3です。図で、横軸が名目GDPの増加率、縦軸が税収の増加率ですから、税収弾性値は点と原点を結ぶ直線の傾きになります。図には、実績の弾性値1.15、上位入賞者の方の弾性値を示した直線を描き、図2と同じように、実績との距離が分かるように、縦横の目盛りの距離が同じになるようにしています。

【図3】税収増加率、名目GDP増加率、税収弾性値の関係

ここで、弾性値を重視すると名目GDPや税収の実績から離れた方を評価することになります。税収と名目GDPの関係を理解して税収を予測するということが本コンテストの目的ですので、税収と名目GDPと実績との乖離を重視して順位を決めることにいたしました。

この結果、3位は、クレディ・アグリコル証券会社経済調査部マクロストラテジスト松本賢様、第2位は青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科竹田ゼミ出身の藤田信様、第1位は、中央大学学友会学術連盟所属経済学会委員長の阿部凜花様と決定いたしました。阿部凜花様は、前回の、第1回税収弾性値予測コンテストでも優秀賞を授賞されています。皆様、大変おめでとうございます。
景気循環学会部会 高圧経済研究部会
鹿野達史(三菱UFJ モルガン・スタンレー証券 シニアエコノミスト)
中里透(上智大学 経済学部経済学科准教授)
原田泰(名古屋商科大学ビジネススクール教授)